北北西の強風に追われるように36号線を南下するが、期待とは裏腹に吹雪は益々強くなるばかりであった。恵庭あたりでは湿った雪が信号にべったりと張り付いていて、停止線を越えても何色が点いているのか良く見えない、急ブレーキをかけて止まることも何回かあった。
カーラジオからは空の便の欠航のニュースは入ってこないから、この先の千歳空港周辺の天気はそんなに悪くないはずとか何とか言って神経質そうに運転している相棒を慰めた。
しかし、もし、相棒が引き返そうと言ったら、素直に「そうしよう」と言ったかもしれない。ノロノロ運転でやっと千歳市街に入りかけた頃、なんと!急に前方の空が明るくなり初め、不安気持ちが消え、喜びで気持ちが膨らんだ。フロントウインドウ越しに空を見上げると、もう雪雲はなく、風に流されてくる雪が陽を受け光っているのが見える。相棒のハンドルさばきも軽やかになってきた。鼻歌も聞こえそうだ!
自分の天気分析力の素晴らしさを自我自賛しているうちに青空が見えるウトナイ湖に着いた。
白鳥たちの表情は歓迎よりも餌を持ってこなかった我々をたしなめているように見える。パン屑でも持ってきたらどんな顔をしてくれるのかと思う。シベリアから何千キロも飛んできた君たちの方が偉い思うが、正直言って、人馴れしている野鳥にはあまり興味は湧かない。
自然の野鳥をみるため、湖岸の奥中にあるサンクチュアリを訪れたが、凍った湖面には野鳥の姿はない。湖面に突き出した船着場のような観察台の上に陣取り、持ってきたガスストーブで、湯を沸かしコーヒー入れて、野鳥が来るのを待った。冬の野外で飲む熱いコーヒーは格別に美味い。
1kmほど奥の美々川が流れ込んでいるあたりにワシが飛んでいるのを見つけた。ゴマ粒ほどにしか見えないが、確かにワシのようだ。凍った湖面を渡って、近くまで行くことにした。氷をミシミシ(ヒビが入る音)いわせながら、中ほどまで歩いて来たところで、ワシは森に向かって飛んで行ってしまった。
ここの近くの岸辺の丘の中腹に野鳥観察小屋があったので、昼飯と置いてきた荷物を取りに一旦引き上げて、その観察小屋に来て野鳥を見ることにした。
観察小屋の中で待つこと1時間余り、ワシも白鳥も他の野鳥も現れないので、あきらめかけた頃、左手の森の向こう、500mほど離れた上空をワシが現れた。 尾羽の形からみて、オジロワシと思われる。ワシはこちらに近づくこともなく、森の陰に消えていった。
ワシが去りしばらくして、今度は白鳥の群れが、左手から現れた。急反転を繰り返しながら高度を下げ、500mほど離れた美々川が流れ込んで凍っていない湖面に舞降りた。この白鳥が舞い降りる光景を カメラのファインダーで追うことが出来た。
白鳥が群れで舞い降りる姿は華麗で美しいと感じた。反転する度に、隊形が変わり、躍動感を感じる。大型の姿の美しい鳥ならではの美しさだ!これが今日の発見と思う。
3 件のコメント:
あの吹雪の日に出かけましたか。イヤ~驚きました!でも天気の読みが当たって鳥の写真をちゃんと撮影して来たのですから大したものです。
冬の天気予報は当たらない事が多いので、遠出は避けています。これは私の親戚の話なのですが、日高からの帰り道、高速道路が閉鎖になったので一般道で帰る羽目に。所がいつも高速を使っているので一般道は詳しくない。どこでどう間違ったか国道から外れたらしい。ここからが悲劇、雪が降っている夜の知らない道路を死ぬ思いをして深夜に戻って来たとか。
そんな事もあって冬はほとんどドライブしないのですがウトナイ湖まで行くと雪はそんなに無いのかな?少なくても写真ではそう見えます。
白鳥位の大きさになるとやはり迫力がありますね。いつか釧路の丹頂鶴を撮って見たいと思いますがいつになることやら。
Owlさん
誰も居ない知らない道で迷うのはほんとに悲劇ですネ。自分のいる場所がわからないと、地図は役に立たず。夜ならランドマークも見えない。オマケに雪降りで車がエンコしたらと思うとぞーとします。冬場は車に毛布、携帯スコップ、脱出板をつんでますよー。
ウトナイ湖周辺は、申しわけ程度の雪しかありませんでした。国道脇も除雪の雪もありません。
ところで、フクローを撮りに野幌原始林に行きましたか?写真載せてくれるのを楽しみにしてますよー!
野幌原始林には未だ行っていません。私が持っている今の靴では恐らく入って行けないでしょう。例年通り今年初めての訪問は4月になりそうです。
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